2017年10月26日木曜日

極限脱出パロディ小説 第八話

極限脱出パロディ小説 第一話
極限脱出パロディ小説 第二話
極限脱出パロディ小説 第三話
極限脱出パロディ小説 第四話
極限脱出パロディ小説 第五話
極限脱出パロディ小説 第六話
極限脱出パロディ小説 第七話

それから、三人が死んだ。
何者かに殺されたのだ。
生き残っているのは俺と茜、サンタ、四葉の4人だけだ。

4人で進んでいくと、たくさんの部屋が並んでいる廊下に出た。
サンタが4人別々に部屋を調べようと言い出した。
俺は4人固まっているべきだと思ったが、なぜか言い出せなかった。
俺は割り当てられた部屋の調査を終えると、他の部屋の様子を見に行くことにした。

途中で茜と合流し、サンタと四葉を探す。
ある部屋の扉を開けると、二人の姿が見つかった。
サンタが四葉の首に包丁を刺している状態で倒れていた。
サンタの首も切り裂かれており、二人とも死んでいる。

「いやーーっ!」
茜が俺にすがりついてくる。
「落ち着くんだ、茜」
「私たちも殺されちゃうの?怖い・・・怖いよ」
「大丈夫。茜は俺が必ず守る」
俺は強く茜を抱きしめる。
「・・・淳平君」

「サンタと四葉のどちらかがゼロだったんじゃないかな」
「えっ?」
「あの二人が争ったように見えた。ゼロが襲いかかってきたのを返り討ちにしたんだと思う」
「じゃあ、私たちはもう襲われることはないのね」
「多分な」

茜と二人で探索を続けた。
いくつかパズルを解いて進んでいくと、エレベーターのある部屋にたどりついた。

机の上にあった紙を読む。
◇◇◇
このエレベーターで外に出ることができる。
エレベーターを起動するには認証コードが必要である。
認証コードは一度間違えると以後入力を受け付けなくなる。
認証コードはこの部屋に住む天使と悪魔の年齢になっている。
彼らを天使の男、天使の女、悪魔の男、悪魔の女の4グループに分けると、
どのグループにも複数のメンバーがおり、
同じグループの者は同じ年齢、異なるグループの者は異なる年齢である。
天使の女は天使の男より年下。
悪魔の女は悪魔の男より年下。
天使は真実を、悪魔は虚偽をまとっている。
◇◇◇

エレベーターの横には認証コードを入力するパネルがあった。
AからLの12個の欄がある。
各欄には2桁の数字を入力できるようだ。
ここに年齢を入力して「OK」のボタンを押せばいいのだろう。

「天使に性別なんてあったっけ?」
「細かいことはいいじゃないの。天使と悪魔とやらを探しましょ」
「そうだな」

部屋のあちこちに人形が隠されていた。
人形の額にはAからLのアルファベットが、服には年齢と文章が書かれていた。
額に「A」と書かれた人形の服には、「41歳」「Hは私の10歳年下」と書かれている。
書かれているものが異なるだけで、12体の人形はすべて同じ大きさ、形であった。
どれが天使でどれが悪魔なのか、どれが男で女なのかさっぱり分からない。

「『天使は真実を、悪魔は虚偽をまとっている』ってあったじゃない?」
「ああ」
「天使に書いてあることは正しくて、悪魔に書いてあることは嘘ってことじゃない?」
「なるほど。『まとっている』っことは服に書いてあることだけだよな」
「そうね。額に書いてある記号は正しいと思っていいと思うわ」
「Aが天使ならAは41歳で、Hは31歳ということだな」
「Aが悪魔ならAは41歳ではなく、HはAの10歳年下ではないということね」

12体の人形には次のように書かれていた。

A:41歳。Hは私の10歳年下。
B:41歳。女の平均年齢は男の平均年齢より低い。
C:38歳。Lは37歳以下である。
D:38歳。天使の女は4人未満。
E:38歳。女は全部で6人。
F:38歳。悪魔は6人ではない。
G:38歳。Hと9歳異なる年齢の者がいる。
H:38歳。22歳の者も30歳の者もいない。
I:40歳。39歳の者が少なくとも一人いる。
J:40歳。B,C,Dの3人は同じ年齢。
K:40歳。Jは天使である。
L:40歳。30歳以下なのに40歳と書かれている者がいる。

これは嘘つきと正直者の問題だな。
俺はしばらく考えて答えにたどりついた。

続く。

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