2018年9月20日木曜日

本好きの下剋上 わたし気になります!

本好きの下剋上(書籍版)の内容に触れていますので、
読んでいない方は見ない方がいいでしょう。
現時点で貴族院の自称図書委員IVがでたばかりですので、
この最新巻の内容も含みます。

私はこの作品が好きで何度も読んでいます。
何度も読んでいるとおかしくない?とか疑問が湧いてくるところがあるのです。
あまり設定とかについては深く考えないようにはしているのですが、
それでも記述が食い違っているように見えるところがあったりします。
今日はそういったもやもやを思いつくままに吐き出したいと思います。

まずは主人公の髪の色について。
表紙の絵などを見ると主人公の髪の色は青です。
ところが、作中では髪の色は夜空の色などと表現されています。
夜の空の色はほとんど黒だと思うのですが。
紺色と書かれているところもありましたが、紺色にも見えません。
もしかしたらこの世界では夜空の色が違っていたり紺色の意味が違うのかとも思いましたが、
主人公自身が、自分の髪が紺色とか、見慣れた黒に近くて良かったとか思う記述があります。
黒に近くはないですよね?

プロローグでは大学卒業間際と書いてあったのに、
次の章では大学卒業した二十二歳のわたしと書いてありました。
卒業したのかしてないのか、どっちやねん。
別にどっちでもいいんですけどね。

マインが石板をもらった場面。
オットーは石板にマインの名前を書いて、部屋を出ていきました。
マインが字を書き始めたのはその後のことで、
家族が迎えに来るまで何時間も石板で遊んでいたと記述されています。
ここを読むと、オットーはマインが字を書いているところを見ていないと思えます。
ところが、後にオットーとベンノが会話をしているところでは、
石板を与えた時に正しく石筆を持って書いたことにびっくりしたとか言っているんですね。
この部分は、オットーが手本を書いたすぐあとにマインがすらすら字を書いたとしか思えない記述です。
無理して解釈すれば辻褄があわないこともありませんが、
無理しなくてもすんなりつながるように書いてほしいなあと思います。

リンシャンの話。
最初は「カンイチャンリンシャン」(簡易チャンリンシャン)という名前でした。
これが長くて言いにくいということで「リンシャン」と呼ぶことになりました。
これが決まったのは、主人公がベンノと一緒に工房に向かう途中。
ところがベンノは工房に着くと何の説明もなく、
「リンシャンを最初に作った本人だ」
とマインを紹介します。
普通は名前が変わったことを説明しますよね。
いきなり言われた方も確認くらいしますよね。
それなのに改名について一切触れられずに話が進みます。
マインがそのことに疑問を持った様子もありません。



ギルドカード。
ギルドカードって魔術具なんですよね?
マインはともかく、ベンノが普通に使っているのはおかしくないでしょうか。
どうして魔力のない平民が使えるのか不思議です。
実際、マインと神官長があるとき次のような会話をしていました。
「魔力がなくても使える魔術具がほしいです」
「それはもはや魔術具ではない」
矛盾してますよね。
と思っていたら最新巻に、平民にも微力ながら魔力があると書いてありました。
最も魔力を含む血を使うことで契約魔術が使えると。
でも血を使わないと無理ということですよね。
ギルドカードは最初に登録のために血を使いましたが、その後は一切使っていませんから。
貴族は魔力が減ると気持ち悪くなったり気絶したりするみたいなのですが、
微弱な魔力しかもってない平民についてはその辺はどうなっているのでしょうかね。


一人称視点について。
基本的に主人公の一人称視点で書かれていますので、
主人公が認識していないものは描かれないはずです。
それなのに時々見ていないもの、聞いていないことが描かれたりします。
エルヴィーラとフェルディナンドの会話を全く聞いていなかった。
の記述の後に二人の会話が書かれていたり、
側仕えと護衛騎士が戸惑った顔で立ち尽くしていることに全く気が付いていなかった。
という記述があったり。
おかしいですよね。
まあ、この方が面白いことは認めます。



ヴィルフリートが文字を書けない話。
入れ替わり生活を始めて、リヒャルダの怒りが炸裂した場面。
「まだ基本文字も書けないというのですか!?」
リヒャルダは彼が文字を書けないことを知らなかったらしいと書かれていますが、
そんなはずはないんですね。
「さっさと基本文字くらい覚えてください。
こちらは勉強ができる時間を今か、今かと待っているのです。
ヴィルフリート兄様が文字を覚えてわたくしの勉強時間が増えていたら、
フェルディナンド様から無茶な課題など出されなかったのですよ!」
とローゼマインがヴィルフリートに八つ当たりをする場面がありました。
このときリヒャルダも目をぱちくりとしているという記述がありましたので聞いていたのは間違いないです。
リヒャルダは知らなかった振りをしていた可能性はありますが、
ローゼマインの記憶がいい加減なのは間違いないですね。

Web版に比べれば誤字脱字は格段に減っていますが、全くないわけではありません。
「もと」の漢字の使い分けなど気になるところもあります。
家族の元へ帰る。
資料を元に作成する。
この「元」は違和感ありますね。
家族の方は「下」か「許」が正しいような気がしますが、自信はありません。
資料の方は「基」が正しいと思います。
正しく「基」と書かれているところもありました。
最新巻でも「基に」「元に」両方が使われていました。一貫性もありません。
使い分けができないなら、ひらがなにすればいいと思います。

動かないはずの手が動く話。
トロンベ討伐の後、初めて激マズ薬を飲む場面。
両腕が鉛のように重くて自力で上げることもできず、フランに薬を飲ませてもらいます。
その直後、あまりの苦さに口元を押さえる描写があります。
あれ?全く力が入らなかったはずの手が動いていますよ。
まだこの時点では薬は効いていないはずなんですけどね
火事場の馬鹿力というやつでしょうか。
第三部最後の長い眠りから目覚める場面でもそうです。
「そ、そんな!わたくしの九歳は一体どこへ!?」
と叫んだ後、のおぉぉ、と頭を抱えるローゼマインが描かれています。
手も上げられないほど弱っていたはずなんですけどね。
その場の勢いとかノリを重視した結果こうなってしまったのでしょうか。

夢の世界の話。
記憶を覗く魔術具を使っているときに、
主人公が自由に行動しているはおかしいと思います。
どう見ても記憶の再生ではないですよね。
好き勝手に動けるのであれば犯罪の証拠とかにはならないでしょう。
それから、麗乃時代の記憶を再生しているはずなのに、
なぜか主人公の姿は転生後のマインの姿です。
シャワーのシーンで幼女の裸を見たところでなんとも思わないでしょう?とか言っていますので、
主人公は自分の姿がマインだと認識しています。
鏡も見ていますから勘違いではありません。
さらに、母親がマインを見て普通に会話をしているのもおかしいです。
記憶を再生しているのに会話が成立すること自体おかしいですが、
麗乃の母親がなぜ見た目マインの人物と普通に会話できるのか。
夢の世界の話はどう考えてもわけが分からない、このシリーズ最大の謎だと思います(笑)。
第二部もコミカライズされるらしいので、それを見れば謎が解けるかもしれません。

最後に最新巻でひっかかった記述。
ハンディキャップとしてアンゲリカからシュティンルークを取り上げるように進言したのはハルトムートだった。
とありましたが、そんなことはなかったはず。
ハルトムートは騎士コースが有利すぎると思うと発言しただけで、
それを受けてローゼマインがシュティンルーク禁止を言い渡したのです。
これもローゼマインの記憶がいい加減ということなのでしょうか。

もやもやするところが多少あっても面白いのは間違いありませんので、
今後もこのシリーズは読み続けます。
もやもやが減ることは祈っておきます。
神に祈りを!

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