前作等はやっていません。
久しぶりにアクション要素のないRPGをやってみたいと思って購入しました。
RPGといえばファンタジーというイメージがありますが、
本作はほぼ現代社会で主人公は高校生。
人間の欲望が生み出す認知世界でペルソナという特殊能力を使って戦う、独特のRPGです。
一番に言いたいのは音楽の良さですね。
オープニングからノリのいい音楽で期待が高まります。
場面場面に適した心地よいサウンドがゲームを引き立てています。
耳に残る曲が多かったです。
サントラが欲しくなるレベルです。
音楽に劣らない様々な演出やシステムもスタイリッシュでグッド。
声優さんの演技も(一部のキャラを除き)よかったです。
すべてが高いレベルでまとまっている感じがありました。
ペルソナを駆使する戦闘も面白い。
弱点が設定されているRPGは多々ありますが、
弱点を攻撃するとダウンさせることができてもう一回攻撃できるというシステムは初めてです。
敵を全員ダウンさせると総攻撃ができて大ダメージを与えられます。
大抵は総攻撃でケリがつきます。
実に爽快です。
戦闘後の結果表示の演出はちょっと長いんじゃないかなと思いました。
最初は○ボタンを何度も押さないといけなくて面倒でした。
途中からは△ボタンを押しっぱなしにしていればポンポンポンと進んでくれることに気づいて快適になりましたが、
すべて表示した後の間が無駄に長いです。
敵を倒すだけでなく交渉で仲間にしたりお金やアイテムを出させたりできるのも新鮮です。
戦闘中に敵や仲間がしゃべったり叫んだりするのも盛り上げてくれます。
うるさく感じるほどではなく適度な演出です。
モルガナはよかったですね。
戦闘はターン制なので落ち着いて考えることができてよいです。
行動はメニューから選択ではなく、各ボタンに割り当てられているので選択が簡単です。
戦闘中は基本的にアクション要素はありませんが、
戦闘に入る前にはアクション要素があります。
敵に見つかると襲いかかられて、先制攻撃を受けてしまいますので、
これを避ける必要があります。
物陰に潜むカバーというアクションがあり、この時には敵には見つかりません。
この状態から不意をついて攻撃することができます。
この場合にはこちらが先制攻撃できますので非常に有利。
これを狙うのが当たり前になってきます。
とても有用なカバーですが、視界が制限されるのが不満でした。
敵を見失ったりして攻撃に失敗することもままあり、いらない仕様だと思いました。
基本的に不意打ちを狙うのですが、あるアビリティを取るとそれが難しくなることがあり、
途中からかなりイライラすることになりました。
ある人物との交流を深めていると勝手に取得してしまうので、
事前に知っていないと回避するのは難しいでしょう。
このアビリティだけはオフオンできるようにしてほしかったです。
ペルソナの合成も面白いです。
ペルソナは悪魔の力を宿した仮面のようなもので、
主人公は複数のペルソナを切り替えて使うことができます。
ペルソナは敵との交渉などで手に入れることができます。
各ペルソナはそれぞれ固有のスキルを持っており、能力値や弱点も異なります。
レベルが上がると新たなスキルを覚えたりします。
特殊なアイテムでスキルを習得することもできます。
2つのペルソナを処刑して新たなペルソナを生み出すのが合成です。
合成の際には元のペルソナが持っていたスキルを引き継いだりできます。
特定のスキルを持った特定のペルソナを作れというお題が出されたりして、
それを作るために合成の法則やスキル継承のルールを推測するのが楽しかったです。
パズルや暗号解読のような面白さがあってやりがいがありました。
各ペルソナが覚えられるスキルは8個までなのでどのスキルを覚えさせるか
よく考えて決めないといけません。
この8個という個数は少なく感じますが、一目で把握できる個数にしてあるのでしょう。
操作や画面がすっきりして、これはこれでよしです。
所持できるペルソナの数にも上限がありますので、
あらゆる状況に対応できるように考えてペルソナを用意しておくのが大事です。
ここが面白いところですね。
パレス(ダンジョン)の攻略も面白いです。
様々な仕掛けや趣向が凝らされていて楽しいです。
謎解きは簡単でしたが。
ほぼ一本道の攻略で面倒に感じることもありました。
特に終盤のパレスでは同じことを何度もやらされて嫌になりました。
1回なら楽しめますけど2回、3回とやりたいとは思えません。
パレスはクリアしてしまうと二度と入れないのがもったいないです。
いつでもいけるメメントスというダンジョンがあることはありますが、
こちらは特に仕掛けもなく構造もBGMも単調で面白みは薄いです。
効率的に進めようとすると、ダンジョンの攻略は最短の日数で済ませたくなり、
延々と籠ることになります。
最初のパレスは最短日数+1日でクリアしましたが、以降はすべて最短日数でクリアしています。
お金を大きく稼げるのはダンジョン内だけなのでお金稼ぎのためにも長くいたいのです。
同じような戦闘を何度もすることになって流石に飽きてきます。
このゲームは主にダンジョン攻略パートと日常パートの2つでできています。
日常パートはアドベンチャーゲームという感じで、
学校で授業を受けたり、牛丼屋でバイトをしたり、銭湯に行ったりして自分を磨いたり、
色々な人と交流して絆を深めたり、ダンジョン攻略の準備をしたりします。
これも長いです。
2つのパートのバランスが悪いと思いました。
効率よく進めようとすると、みっちりダンジョン攻略、長々と日常パートになってしまいます。
似たようなことを長く続けていると飽きてきますから、もう少し交互にできるようにしてほしかった。
ダンジョン攻略に日数制限があるのが嫌でしたね。
今日は行かないの?とか早めに行こうぜとかせっつかれるのも嫌でしたし、
さっさとクリアしても期限が来るまで結局待たされることになりテンポが悪いです。
時間制限もありました。
10分以内にある場所に移動しないといけないとか、30分以内に戦闘に勝利しないといけないとか。
初回でクリアできたので問題ないといえばないですが、焦ります。
仕掛けを動かしたら30秒以内に通らないといけないというのもありました。
こういう急かされる要素はいらないですね。
じっくり落ち着いて遊びたいです。
主人公には魅力、知識、度胸、器用さ、優しさという人間パラメータがあり、
とった行動に応じてこれらが少しずつ上がります(下がることは多分ない)。
これが5段階しかなくてなかなか次のランクにならないんですね。
ちょっと徒労感がありましたので10段階くらいにしてほしかったです。
このパラメータを上げなくても多分クリアは可能だと思いますが、
上げないとできない行動があったり、特定の人物との交流が深められなくなったりします。
MAXまで上げてもポイントアップの演出が表示されるのが邪魔でしたね。
♪の表示だけでよかったと思います。
コープについて
コープとは特定の人物との絆。
交流を重ねるとランクが上がっていき、様々なアビリティを取得します。
戦闘が有利になったり、日常パートの効率が上がったりと役に立つものが多いです。
戦闘のところで書いたあれを除けば、少なくとも邪魔だと感じるものはなかったです。
効率が劇的に上がるアビリティがあり、
それらをいつ取得するかによって達成度がかなり違ってくると思われます。
私はなるべく平均的にランクを上げるようにしていたので
かなり効率の悪いプレイだったと思います。
ランクを上げていくと特別な関係になれることもあり、多少の恋愛要素がありました。
終盤になると交流のチャンスが全くなくランクを上げることができなかったキャラが二人いました。
一人は予告があったものの特定の期間だけかと思ったら最後まででしたし、
もう一人は会う機会はあるのになぜか交流が深められず、イライラしました。
バイトをしたり、バッティングセンターで遊んだり、本を読むといった行動をしたり、
コープの相手と過ごしたりすると時間が進みます。
こういった行動は基本的に1日2回。放課後と夜のみです。
ダンジョンに行くと1日つぶれます。
自分を磨くか、絆を深めるか、ダンジョンに挑むか、
限られた日数で何をするか自分で決めないといけません。
釣りとかミニゲームみたいなものもありますが、やっている余裕がありませんでした。
主人公は高校生なので学校に通っているわけですが、
まともな授業を受けている印象がありません。
たまに先生から質問が飛んできますが、雑学クイズみたいな問題が多くて、
それが試験に出題されたりしますから、なんなのこの学校と思いました。
もっと高校生らしい問題にしてほしかったです。
このクイズがないときは授業はすっ飛ばされてあっという間に放課後になります。
パラメータやランクは特定の曜日や天気で上がりやすくなったり、
時間の経過しない行動で上げやすくできたりしますので、
効率よく上げるためにはそういうものも考慮しないといけません。
私は途中で気付いたこともあって随分無駄な行動をしていました。
コープの相手はいつでも交流ができるわけではなく、
事前に完全な予定が立てられるわけではありません。
交流の機会が少ない人物もいて、なかなか思うように進められません。
常に自分の行動に自信が持てない状態でした。
ストーリーはツッコミどころが多かったですが、
高校生の少年が主人公だからこんなものかという感じでした。
大がかりな仕掛けがあったのですが、それは気に入りませんでした。
時系列的に臨場感が削がれます。
最初に大捕物のシーンから始まって、本編は回想なんですね。
ずっーと回想。
それを忘れれば現在進行形の話として楽しめたと思いますが、
時々回想ということを思い出させてくれるのです。
しかも、次回予告みたいなことをやってくれるので興ざめでした。
回想が終わった時点でストーリーに大きな動きがあります。
これがかなり無理を感じる上に、主人公=プレイヤーという図式が完全に崩れました。
アニメとかなら構いませんが、ゲームであれは駄目だなと思いました。
そして、ここの説明が長い長い。
このゲームは強制的にストーリーが進むことが多くて、セープのタイミングが難しいです。
セーブしてやめようとしても長い会話が始まったりして、やめたいときにやめられない。
セーブしたいときにできない。
ロードしてやり直しが簡単にできないようにしているのだと思いますが、
ストレスを感じる仕様です。
自由度がありそうに見えて、あまり自由さを感じない、
むしろ不自由で窮屈さを感じるゲームでした。
やり忘れたことがあったのに気づいてやり直そうとしても延々と会話が続いて
イライラすることがありました。
スキップ機能はあるんですけど、大して早くないです(笑)。
早送りしてる感じの演出はあるんですけどね。
そういえば、ダンジョン内でダッシュができますが、これも演出だけで大して早くなかったです。
敵に見つかった時にダッシュで振り切ろうとしても振り切れません(笑)。
難易度はノーマルでやりました。
特にきつかったところはなし。
しかし、主人公が死んでしまうとその時点でゲームオーバーというのはびっくりしました。
蘇生魔法が使える仲間がいるんですけど?
蘇生アイテムも持っているんですけど?
主人公以外が死んだときには勝手にアイテムを使って復活させるのに
どうして主人公のときには使ってくれないのでしょう。
即死攻撃をしてくる敵もいるので恐ろしいです。
ある状態異常を放置していたらいきなり死んだのもびっくりしましたね。
どちらも対策はできたので問題ありませんが。
ゲームオーバーになったのは2回だけでした。
ゲームオーバーになった場合は直前のセーフルームからのやり直し。
獲得した経験値もお金も攻略内容も容赦なく消えます。
面倒な仕掛けを時間かけてクリアしたのが無かったことにされたら心が折れるかもしれません。
ボス戦で死んだ場合はその戦いをやり直すことができてほっとしました。
なのでボス戦より雑魚戦でうっかり死なないように気をつけないといけません。
クリアした時点でプレイタイムは約130時間。
ダンジョンに延々と籠っていたからでしょう。
平均よりもかなり長いタイムだと思います。
人間パラメータはすべてMAXにできました。
コープについてはMAXにできたのは7割くらいでした。
主人公のレベルは79。
ペルソナの登録率は80%くらい。
色々引き継いで二周目ができるようですが、やる気にはなれませんでした。
MAXにできなかったコープについては途中のセーブデータをロードして、
MAXまでのイベントを見てみようかなとか考えていましたが、もういいやと思いました。
数年後には2回目をやってみるかもしれませんが、当分はいいです。
初回は色々と無駄なことをしていたことに気づいたり、
取返しのつかないことがあったりして不満が残りがちです。
二周目はそういう不満は無くなると思いますが、このゲーム時間がかかりすぎるんですね。
気軽にもう一回やろうなんて全く思えません。
ペルソナ5ロイヤルというのもでるようですが、そちらもやるつもりはありません。
あれは完全版なのでしょうか。
そうだとすると、これは不完全版ということになりますが(笑)。
後はゲーム内容とは全く関係ない不満点ですが、
ゲームを起動すると毎回毎回、ネットワーク機能を使いますか?
と聞いてくるのがうっとおしいです。
使わないって言っているのに毎回初期値が「はい」になっているので
いちいち変更しないといけません。
せめて前回の回答を記憶しておきなさい!
ネタバレ防止のためかスクリーンショットや動画の保存ができないのも残念でした。
シェアだけできないようにはできなかったのでしょうか。
個人で楽しむ分には問題ありませんし、
メモ代わりに写真を撮ることはよくあるので使えないのは不便でした。
録画ができないならサウンドテストとか回想機能をつけてほしかったですね。
不満点も多かったですが、突き抜けて面白いところはあり、
長時間遊べるゲームではありました。
80点。
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