2017年8月12日土曜日

論理パズル 天国への道 昇天編

論理パズル 天国への道について考察して参りました。

普通に道が2つに分かれている場合。
論理パズル 天国への道 基本編

道が3つに分かれている場合。
論理パズル 天国への道 解脱編

今回は道の数に制限はありません。
4個でも100個でも655536個でも1つの質問で特定することができるのです。
道の数が増えても本質的には同じことですので道の数は5個にしておきましょう。
5個の道には1,2,3,4,5と番号がついていることにします。
前回は「はい」「いいえ」に加えて沈黙という第三の答えを利用しました。
・「はい」とも「いいえ」とも答えられない場合には沈黙
・「はい」または「いいえ」で答えられる場合は、瞬時に答える
・「はい」でも「いいえ」でも答えられる場合はどちらかを瞬時に答える
という条件で今回も考えます。
また、質問は一つの文でなくてもよいことにします。
例えば次のような質問でもOKです。
「あなたが天使であればa=2、あなたが悪魔であれば a=3とします。
また、天国への道の番号をbとします。
このとき、bはaで割り切れますか?」

さあ、どのような質問をすればいいでしょうか。
そんなに難しい答えではありませんが、かなりの発想の転換が必要です。





5つの道を道1、道2、道3、道4、道5と呼ぶことにします。
答えとしては「はい」、「いいえ」、沈黙の3種類しかありませんので、
普通に考えると不可能です。
5つの道に対応するためには、他に何らかの情報が必要です。
では、答えてもらうときに何らかの動作をしてもらうというのはどうでしょうか。
例えば、「道1が天国だったら右手を挙げながら『はい』と答えてください」とか。
これは質問ではなくお願いですね。
何らかのお願いをしても案内人がそれに応じるとは限りませんので、この方向は駄目です。
どういう情報を付加することができるか考えると、答えるタイミングくらいしか思いつきません。
どの道が天国への道かによって答えるタイミングをずらすことができればうまくいきます。
どうすればタイミングをずらすことができるのでしょうか。
基本編の最後に質問の途中に答えられる可能性を書きました。
これを意図的に引き起こせばタイミングをずらすことができます。
例えば、
「この質問と『道1は天国への道ですか?』という質問の答えは同じですか?」
と質問すると、
道1が天国の場合は、天使も悪魔も「はい」と答えます。
道1が天国でない場合は、天使も悪魔も沈黙します。
沈黙された場合は質問の続きを述べます。
「という質問の答えとPという質問の答えのどちからは『はい』ですか?」
Pは任意の質問とします。
最初の質問の答えが「はい」でないことは分かっていますので、
これは「Pという質問の答えは『はい』ですか?」という質問と実質同じです。
このようにして質問をつなげていけばうまくいきそうな気がします。
ただ、この方法では具体的な質問を考えるのが面倒ですので、もっと簡単な方法でいきます。

「次の5つの命題の中に正しいものはありますか?
1.道1が天国への道である
2.道2が天国への道である
3.道3が天国への道である
4.道4が天国への道である
5.道5が天国への道である」

どうしてこれでうまくいくのでしょうか。
道1が天国への道だった場合。
「1.道1が天国への道である」と言われた時点でこの質問に対する答えは決まります。
天使の場合は「はい」、悪魔の場合は「いいえ」です。
「はい」または「いいえ」で答えられる場合は瞬時に答えるということですので、
命題1が述べられた時点で答えが返されるのです。
同様に道2が天国への道であれば命題2が述べられた時点で答えが返され、
道5が天国への道であれば命題5が述べられた時点で答えが返されます。
答えが返ってくるタイミングで判断できるというわけです。
道の数がどんなに増えても同様の方法で判定できるのは明らかですね。
以上、天国への道の発展版でした。

次回は8/15に何か書きます。

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