2024年5月17日金曜日

できそこないの巫女

 本作はVoece of Cardsシリーズの第二弾らしいです。

第一弾の「ドラゴンの島」はやっていません。

続編ではないらしいのでやっていなくても問題ないでしょう。

テーブルトークRPGの雰囲気が楽しめるゲームです。


ほとんどの演出がカードを使ってされるという凝り具合。

スタイリッシュで統一感があっていいのだけど、テンポが悪いです。

フィールドもカードを敷き詰めた状態で分割されています。

最初はすべてのカードが裏向きに伏せられている状態で、

移動すると隣接するカードが表向きに変わります。

遠くのカードにジャンプすることもできますが、表向きのカードにしかジャンプできません。

基本的には一歩ずつ移動するしかないのです。

1枚のカードの上下、左上、左下、右上、右下にカードが隣接している形なので、

上下以外の移動がとてもやりにくいです。

左右に進む場合、上下どっちのマスに移動するのかよく分からなくて、

進めないマスに入ってしまったりするのです。

ジャンプで移動すればこの問題は解決するけれど、操作性が悪くて全然快適じゃないです。

移動中にはちょくちょく敵とエンカウントして戦闘になります。

戦闘も時間がかかります。

最初のうちはすべてのカードを表向きにしていたのですが、

エンカウントが多くて時間がかかるので余計なところには移動しないようになりました。

それでも時間がかかって面倒だと感じられました。



戦闘について。

戦闘は最大4人パーティ。

メインキャラであるバランとラティの2人はほぼ固定。

他のメンバーはストーリーに応じて入れ替わります。

メンバーが変わると使えるスキルも変わるので変化があってよいです。

しかし、RPGの割にほとんど成長が感じられません。

入れ替わるメンバーは一切レベルアップしませんし、装備もほとんど変えられません。

メインキャラはレベルアップしますが、レベルアップ自体遅い上に、

ステータスの上昇も実に緩やかなのです。

戦闘が始まると、敵味方素早さの順に行動することになります。

MPという概念はなく、スキルを使うときにはジェムを消費します。

ジェムはパーティ共有のもので、味方に行動順が回ってきた時に1個支給されます。

余っても次回の戦闘に持ち越すことはできません。

数ターン我慢してジェムを貯めて強力なスキルを使うのがいいか、

毎回少しずつ消費するのがいいのか、悩ましいところです。

強力なスキルといっても劇的にダメージが大きくなるわけでもなく、

あまり爽快感はありません。

強力なスキルは演出も長くなるのであまり使いたくないです。

全体攻撃スキルも結構あるけれど、

敵の数は最大3体くらいなのであまりメリットがないです。

HPを回復するには、特定のキャラのスキルを使うか、アイテムを使う必要があります。

アイテムは戦闘中でなくても使用できますが、購入するのにお金がかかります。

スキルは戦闘中にしか使えませんが、お金はかかりませんので、

なるべくスキルで回復しておきたいところです。

敵を1体だけ残しておいてスキルで回復した後に倒すのがよいです。

これも時間がかかる理由ですね。

クリティカルの演出にも不満を感じます。

ダメージの総量が増えるのはいいんですが、単純にダメージ量が大きくなるのではなく、

追加の攻撃が発生するという演出なので時間がかるんのです。

残りのHPより大きいダメージが出て、よし倒した!と思ったら、

追加の攻撃が発生して無駄な演出を見せられたりするのです。

それで「素晴らしい」とか「運を味方につけましたか」とか言われても

何を言っているんだかとしか思えません。

クリティカルだったらダメージ量が1.5倍になるとかの方がよかったです。

あの仕様だとクリティカルがでても残念な気持ちになることが多いです。

クリティカルでなくてもダメージが分割表示されることが多くて分かりにくいですね。

2連撃ということなのか、3,4みたいに表示されるのです。

それっぽいエフェクトを出して合計値を最後に表示すればいいと思うのですが。

ただでさえ与えるダメージが大きくないのに、分割されるので余計に小さく見えます。

こういうところも爽快感を削いでいると思います。

時間がかかるのでイベント以外の戦闘はやりたくないと思ってしまいます。


ナレーションは落ち着いた声でなかなかよい感じです。

音楽や雰囲気も悪くはないのだけどちょっと暗いですね。

ストーリーも暗い。

爽快感はなく、達成感よりも喪失感が強くて頑張った甲斐がないと感じられます。

グラフィックはまあまあそれなり。

悪くはないけれどキャラの絵とかの使いまわしが多いと感じました。

全く同じ絵だったので同じ人物かと思ったら全くの別人だったりします。

よっぽと低予算で作っているんですかね。

ストーリーはあまり自由度はなく、やらされている感たっぷりです。

やるべきことが明確なのはいいんですが、冒険感はありませんね。

ときどき選択肢が提示される場面はありますが、

多分どちらを選んでもなんの影響もないと思われます。

選択を強制されるところもありましたし、選択の押し付けもありました。

試しに押し付けとは異なる選択をしてみたらGAME OVERになりました(笑)。

フィールド上でたまにイベントが発生したりしますが、特に面白くもありません。

頭を使うような謎解きもありません。


ミニゲーム

遊技場でちょっと大富豪に似ているカードゲームで遊ぶことができます。

大富豪にない要素が色々と入っているけれど、大富豪の方が面白いですね。

大富豪は長期的な戦略が立てられるけれど、

このゲームではほとんど立てようがなく、運の要素が強すぎると思います。

報酬も特にほしいものでもないし、あまりやる気になれないゲームでした。


戦闘はたまにあるくらいなら楽しめたと思いますが、

あまりにも頻度が高くて嫌になリました。

ストーリーも楽しいものではないので早く終わってくれないかなと思えてきます。

まだ続きがあるの?ここで終わりでいいよ、と何回か思いました。

最後の戦いも時間がかかる難易度の高いものでした。

ラスボス前に数戦しないといけなくて、そのうちの1戦が特に難しかったです。

その1戦は特殊な設定になっていて、レベルを上げて再挑戦することもできません。

私はその戦いを3回やりましたよ。

全滅してGAME OVERになったのはこの戦いだけでした。

終盤のボス戦はボスの攻撃が激しくて、攻撃をしている余裕がないくらい。

そういえばこのゲームはバフ、デバフ(強化、弱化)がそれぞれ1個ずつしかつきません。

例えば、敵を麻痺状態にすると3ターンくらいは行動不能になります。

更に毒状態にしてみたところ、なぜかそいつが攻撃してきます!

毒状態になるとなぜか麻痺が解除されてしまうのです。

これに気付いたときは非常に驚きましたね。

なんで毒を与えたら麻痺が治るんですか。

他にも攻撃力低下とか防御力低下とか色々な状態異状があるのですが、

最新の1個だけが有効になるのです。

ちなみにボスは麻痺しません。

逆に攻撃力アップとか自動回復とか有利な効果も最新の1個だけが有効なのです。

なのでそういう効果を持つスキルとかを迂闊に使えないんですね。

ボス戦では被ダメージを減らすことが優先されるので攻撃力アップなんかしてられません。

なのでちまちまとダメージを与えることしかできなくて、全然爽快感がないんですね。

あとは蘇生スキルがないのも残念なところです。

スキルでは蘇生できないのでアイテムを使うしかありません。

HP満タンでも簡単に死んだりしますので大変です。

ボス戦では毎回ハプニングカードというのが引かれて、

全員の攻撃力がアップしたり防御力が低下したりと様々な効果が発生します。

この演出もうざいですし、この効果のせいで安定しないんですね。

ラスボスはなんとか1回目で勝つことができましたが、ぎりぎりでした。

回復アイテム、蘇生アイテムを使い切ってしまったところでなんとか倒せました。

ここで負けたら連戦を最初からやり直しですからね。心が折れていたかもしれません。

やり直した分を除いても2時間近くかかりましたから。

もう2度とやりたくありません。

エンディングもなんか冗長でしたね。

1回Finって表示されたのに続きがあって、もう一回Finって表示されましたよ(笑)。

クリアすると何かが追加されたとか引き継いで遊べるとか表示されたんですけど、

それ以上は何もする気になれませんでした。

ゲームを楽しんだとは思えず、苦行から解放されたという感じでした。

ストレスがたまるようなゲームはやりたくないですね。


特に不具合はなかったと思います。


65点。


次回はマリオゴルフの予定です。

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