2019年10月18日金曜日

DETROIT BECOME HUMAN

このゲームはレビューとかを見ると随分評価が高いようです。
PS4のフリープレイに入っていたのでやってみました。

随分評価が高いのもうなずけるクオリティーですね。
実在感のある綺麗なグラフィック。
緊迫感のあるストーリーとそれを高めるサウンド。
私は英語音声でやりましたが、感情のこもったセリフやその内容もよかったです。
一度はプレイしてみる価値のあるゲームだと思いました。


舞台は2038年という近未来で主人公はアンドロイド。
アンドロイド絡みの事件を捜査したり、人間の支配から逃げ出そうととしたり、
反乱を起こしたり、様々なドラマが展開されます。
あと数十年であんな高機能なアンドロイドができるとは思いませんが。


基本的に3体のアンドロイドの話を交互に進める形です。
それぞれの行動が相互に影響を与えたりします。
私は1回目はやり直しとかはせずに進めましたが、
1体が速攻で脱落し、途中からやる気がなくなってしまいました。
これは多分最速の脱落です(笑)。
その後は不正解と思われる行動をあえて選択し、
めでたく全員バッドエンドとなりました(笑)。
ゲーム的にはバッドエンドですがある意味ハッピーエンドではありました。
一番のバッドエンドは人間とアンドロイドが殺し合いをして、双方全滅でしょう。
これがこのゲームに実装されているかどうかは知りません。
2回目は失敗したなと思ったらやり直したり、色々な分岐を試したりして、
ハッピーエンドを目指しました。
その甲斐あって3体とも概ね良好に終わりました。
3回目をやる気はありません。

難易度選択ではEXPERIENCEとCASUALが選べます。
1回目は初期値のEXPERIENCEでやってみました。
2回目はCASUALにしましたが、あまり変わった気がしませんでした。
確かにボタンを押す回数などは減りましたが、あまりCASUALとは思えませんでした。

グラフィックはいいですが、操作性は微妙。
きびきび動いてくれないし、思った通りに動いてくれないこともありました。
アクションゲームではないしのんびりやればいいやと思っていたのですが、
時間制限があったりします。
行動を選択するところでは目に見える時間制限がありますし、
ぼけっとしていると勝手に話が進んでしまう、目に見えない時間制限もあります。
これは緊迫感を高める効果はありますが、ちょっと嫌なところでした。
アクションが要求されるところもあります。
誰かを追いかけたり、格闘したり。
QTEが結構多いです。
難易度はそんなに高くはないですが、面白いものではないです。
QTEの表示とか、せっかくのグラフィックが台無しなんですよねー。
行動予測とかでアクション性を排除しているところもあるので、
もっとそれを突き詰めてほしかったと思います。

分岐の多さも大きな特徴だと思います。
条件によってエンディングだけが変わるようなアドベンチャーゲームはよくありますが、
このゲームはマルチルートのマルチエンディング。
行動や選択でストーリーが分岐するみたいです。
各章の最後にいちいちフローチャートが表示されるのが没入感を削ぎます。
なかなか引き込まれるストーリーではありますが、ゲームしてはどうかと思うところもあります。
アンドロイドなのであまり感情移入はできず、アンドロイドにしては人間的すぎる。
映画を見るためになんらかの操作をするという感じで、
それなら映画を見た方がいいんじゃないかと思ったり。
1回目はともかく2回目になるとやらされ感が強いです。
1回目と同じ内容を繰り返さないといけなかったり。
失敗したなあと思ってやり直そうとすると、これがとても面倒。
このゲーム、好きなところでセーブができないんですね。
セーブはオートセーブのみ。
やり直す場合はMAIN MENUに戻って、
フローチャートのポイントを選択するか、CONTINUEを選ぶことになります。
フローチャートで指定できるポイントは少ないのでCONTINUEの方が戻りは少ないでしょう。
MAIN MENUに戻るときとゲームを再開するときの2回ロードが発生するので時間がかかります。
このゲームは時間制限とかQTEがあるので何度もやり直したいことがあるのが困ったものです。
メニューに戻らずに時間を巻き戻す機能が欲しかったです。
ムービーシーンのスキップとかは一切できません。
主人公Aの章をやり直して結果を変えることに成功、次の主人公Bの章は1回目と全く同じでいいからスキップしたい
とか思っても同じことをきっちりやらないといけないのです。
メニューに戻ってフローチャートで先の章を選んでも変更は反映されません。
当たり前といえば当たり前なのですが、途中を飛ばさずに最後まで進めないといけないのです。
同じことを何度もやりたくないです。
好きなタイミングでセーブできないので中断するのが難しいです。
サスペンドモードにすればどこでも中断できますけど、他のゲームが遊べなくなります。

ゲームをクリアするとスタッフロールみたいなものがありますが、
ここで過去のシーンが流れたりします。
これはなかなかいい演出だと思っていたら、見たことのないシーンまで出てきてがっかりしました。
プレイ内容には関係なく固定のシーンを流しているようですね。
実際にプレイヤーが体験したシーンを映してほしかったです。

クリアしてメニュー画面に戻るとちょっとした変化があります。
こういうお遊びは面白いですね。
また、ギャラリーやらムービーやらが見られるようになります。
ショートムービーとかはなかなか面白かったです。
但し、個々のコンテンツをアンロックするのにポイントが必要で、
そのポイントはゲームをクリアするともらえるようです。
恐らくたどったフローチャートの長さに応じてもらえるのでしょう。
全部見ようと思ったら多分何回も周回しないといけないと思いますが、
前述したように周回するのは面倒な作りになっています。
この仕組みは別にいらなかったんじゃないかなと思います。
メニュー画面には案内役のアンドロイドがいて彩りを与えていますが、
これはゲームの世界観を崩壊させる存在でもありますね。
これが現実のアンドロイドだと考えるとと、ゲーム内のアンドロイドはあくまでもゲーム、
虚構の存在でしかないことがはっきりしてしまいます。
普通のゲームはゲームの中の世界は実在のものという建前なのですが、
このゲームではその建前が見せかけのものなのです。
仮想世界のアンドロイドにプレイヤーが介在するゲーム。
変異体とはプレイヤーによって遠隔操作されるアンドロイドのことだったのです。
遠隔操作をしてクエストをこなすゲーム、remote access quest
頭文字を取るとraq
ゲーム中に何度も出てくるRA9という言葉は実はこれのことだったのです!
という妄想が湧いてきました。

このゲームは1回目は十分に楽しめると思います。
が、2回目以降は急速に面白みが薄くなる感じです。
このゲームは分岐が多いので全部を見ようと思うと何回も何回もやらないといけないでしょう。
私は2回でやめましたが、見れていない展開がたくさんあることを思うと、
やりきったという満足感はあまり得られませんでした。
7000円で買っていたらもったいないと思ったことでしょう。
全部やりきろうとすると作業になってつまらない。楽しめる部分だけでやめると未練が残る。
というありがちなジレンマを抱えたゲームですね。
フリープレイだったので未練を簡単に断ち切ることができ、満足度80点といったところです。

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