2019年12月21日土曜日

Return of the Obra Dinn

数年間行方不明だった船Obra Dinn号の謎を解くゲーム。
使うのは不思議な懐中時計と白紙だらけの日誌。
その懐中時計は死体の残留思念を読み取って死ぬ直前の音や光景を再現してくれるのです。
再現された情報は日誌に書き込まれるというか出現します。
この辺の原理や設定はよく分かりません(笑)。
死んだ人物の名前や死因(安否情報)は空欄になっているので、
自分で推測して書き込まないといけません。


最初船はほぼ無人に見えます。死体が一個転がっているだけ。
しかし、回想シーンの中の死体の残留思念を読み取ると、なぜか死体が増えます(笑)。
最終的には船は死体だらけになります。
これは死体の実体ではなく、残留思念が見えるようになったということなのでしょうか。
よく分からないので気にしないことにしました。

死体を見つけて残留思念を読み取って、それぞれの安否情報を特定するのが
プレイヤーのお仕事です。
3人分の安否情報を正確に書き込むと正解判定してくれます。
ですので総当たりでも正解することは可能です。
実際にはやってませんが裏技めいた手法も思いつきました。
3人分を総当たりで正解するのは難しいですが、1人だけならぐっと簡単になります。
どこかでセーブデータをコピーし、正解判定されたら、判定前のデータからやり直し、
2人分を正解の状態にしてセーブ、コピー。
この状態であれば1人に絞って総当たりを行うことができます。
これを繰り返せばかなり簡単になるでしょう。
こんなやり方で当てても面白くはないと思いますが。
せっかくの推理ゲームが台無しになってしまいます。
多分全員の名前を特定するための手がかりは用意されていると思います。
私は残り数人になるまではある程度の根拠をもって特定できました。
この二人はどっちがどっちなんだか分からないというところがあり、
適当に書き込んでいるうちに正解してしまいました。
手がかりを見つけることができなかったのでしょう。
最後は面倒になって手抜きをしてしまいました。
光景を再現するのにいちいち死体のところに行かないといけないのです。
日誌から直接見られるようになっていたら頑張れたと思います。
安否情報が特定できた人物の名簿情報を見るのも面倒でした。
特定前であれば人物名の選択で名簿情報が表示されるのですが、
特定済だと人物選択ができないのでわざわざ名簿を表示してその人物を探すしかないのです。
特定済の人物の情報を確認したいこともちょくちょくあったので不便でした。
ついでに言うと、名簿内の検索とか、色々な項目でソートができるとよかったです。
Excelで表を作ろうかと思いました。
更に言うと、ブックマーク機能ももう一歩便利にしてほしかった。
システム的には改善してほしいところは他にも色々ありました。

人名をつきとめるところで難しいのは、直接人の名前が呼ばれることがあまりないということです。
しかも、そのセリフは誰がしゃべっているのか、どの人物に話しているのかよく分かりません。
状況やセリフの内容で推理しました。
他のシーンの声と聴き比べることも考えましたが面倒なのでやめました。
名前が呼ばれない人物については、
乗客名簿に書かれている役職とか人種、船上の様子を描いたスケッチ、
その他様々な情報を使って推測しなければなりません。
死因は大体見れば分かりますが、難しいものもありました。
死んだ時刻とその原因となった出来事の時刻に差があって、
残留思念の光景だけでは死因が特定できなかったりします。
光景は静止画なので線の中の点でしかありません。
点と点との間の線を推測しないといけないのが難しいところであり面白いところでもあります。

きちんと手がかりを基に特定していこうとするとかなりの難易度だと思います。
私は一通り情報が出揃った時点で安否情報が特定できたのはたったの6人でした。
そこから何度も残留思念を見直したりメモをとったりしながら少しずつ特定していきました。
意外な手がかりを見つけて興奮したり、もしかしてこういうことだったのでは!とひらめいたり、
観察力、推理力を駆使して解き明かすのが楽しかったです。
全員の安否情報を特定できたときの達成感、満足感はなかなかのものでした。
但し、全員の死因は明らかになってもどういうことだったのかはよく分かりませんでした。
何十人もの人が殺しあったり、とんでもないものが現れたり。
起こった事実は分かってもどうしてそんなことが起こったのか、どういう思惑があったのか、
そういうところがさっぱり分からなくてすっきりした気分にはなれませんでした。
その辺は各プレイヤーの想像に任せるということでしょうかね。

シンプルで研ぎ澄まされたゲーム性。
画像はモノクロで結構粗いですが、このゲーム性にはあっていると思いました。
耳に残る音楽や的確な効果音も雰囲気を盛り上げてくれます。
セリフは基本的に英語。テキストは日本語です。
アクション要素はほとんどなし。反射神経が必要なところは皆無でした。
一人称視点なのでちょっと酔いやすい気がしました。

あ。セーブデータのコピー、消去は分かりにくかったですね。
あそこも安否情報の入力みたいなUIにすればよかったのではないでしょうか。

内容をすっかり忘れた頃にもう一回やってみたいと思えるゲームでした。

80点。

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