2021年9月24日金曜日

MANIFOLD GARDEN(マニフォールド ガーデン)

 タイトルのMANIFOLDは多様体という意味だったと思います。

多様体というのは局所的にはユークリッド空間とみなせる位相空間で・・・

確かに本作の世界は局所的に見ると特におかしなところもない普通の空間ですが、

全体的には不可思議な空間になっています。

2DのRPGではマップの右端に到達すると左端から出てくるものが多いですね。

右端と左端がつながってて、上の端と下の端がつながっている。

高いところからこの世界を見渡すと、正方形のマップが上下左右延々と

つながって見えると思います。

当ゲームはこれの三次元版のような世界。

合わせ鏡のように上下左右前後に同じ構造が反復されています。

有限だけど無限の広がりを持つ世界。

何か物を落とすと当然下に落ちていきますが、やがて上から降ってくることになります。

自分自身が飛び降りたときは元いた位置に着地できます。

壁歩きもできます。

目の前の壁に向かってボタンを押すと、その壁が床になるのです。

重力の方向が変化するようなものですね。

この不思議な世界でパズルを解いていくゲームです。

基本的には特定のブロックを指定された位置に置くだけ。

但し、ブロックは重力の方向が特定のときにしか動かせなかったりするので、

頭を捻らないといけなかったりします。


まあパズル自体はそれほど難しくはありませんでした。

それよりもブロックがどこにあるのか、それをどこに持っていけばいいのか、

探すのに時間がかかりました。

扉をくぐると別の世界が広がっていたりして、つながりが異次元的。

どこでもドアみたいな感じです。

ちょっと戻ってみたら扉のあったところが見つけられなくなって

延々とさまようことになったりもしました。

どこへ行ったらいいのか途方に暮れることもしばしばありました。

そういう意味では難易度は高めでした。

もう少し分かりやすいとよかったと思います。


ストーリーは特になし。

マップなどの表示も一切なし。

方角の表示くらいはほしかったところです。

自分が何者なのかも分かりません。

自分がいる場所は遠くに見えますが、自分の姿は見えませんでした。

さっぱり分からないまま進んでいくとエンディングになります。

エンディングといっても万華鏡みたいなCGが流れただけで、

エンディングには見えませんでしたが。

スタッフロールがあったのであれがエンディングだったのかと思っただけです。


ボリュームはそれほど大きくはないですが、ちょっと長いと感じました。

特に進展もなくうろうろしている時間が多かったためですね。

あとは3D酔いがなかなかきつかったです。

しばらく遊んでいると気持ちが悪くなってきて、長時間は遊んでいられませんでした。


これはパズルを楽しむゲームというより、

エッシャーの絵のような不思議な感覚を楽しむアートだと思いました。

そういう意味では悪くはなかったです。


70点。

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