2022年5月26日木曜日

春ゆきてレトロチカ

 永遠の命をめぐる新本格ミステリアドベンチャーゲームだそうです。

ざっくり言うと、いくつかの殺人事件の犯人を推理して当てるゲーム。

各章毎にドラマ→仮説作成→解決という流れになります。


ドラマは実写の動画を見る出題パートですね。

基本的に見てるだけですが、ときどき返事などを選択させられることがあります。

しかし、選択によってストーリーが変化するわけでもなく、

あまり意味がないなあと思いました。

RPGとかで見ているだけの時間が長いと嫌になりますが、

この手のゲームでは別に気になりません。

一応主人公はミステリ作家の河々美はるかで、現代の事件について推理をしますが、

作中作という感じで過去の事件も登場します。

そちらは事実に基づいた小説や手記で、それを読んだ主人公のイメージでの

再現ドラマを見せられます。

探偵役は別の人物ですが、演じる人は同じです。

それぞれ趣が変わっていて楽しめました。


ドラマを見終わると推理空間で仮説作成をします。

推理空間というのは探偵役の脳内イメージ。

上部に各シーンが並び、下部には六角形のマスで区切られた道が表示されます。

手がかりを基に仮説を作成し、推理を決定します。

手がかりは各シーンを見たときに自動的に抽出されるので、調査をする手間はありません。

もちろん動画を見直すことは可能です。

動画を見直すときには選択肢は登場せず、過去に選択した内容でスムーズに進みます。

手がかりを「謎」マスに隣接するマスにドラッグすると仮説が作成されます。

隣接するマスならどこでもいいと思っていたのですが、

位置はきっちり決まっていて、正しい手がかりを正しいマスにもってこないと反応しません。

仮説を作るのに手がかりが2つ必要なものもあって、

1個目、2個目の順にもってこないと反応しません。

1個目をセットしていない状態で2個目の手がかりを正しい位置に持ってきても無反応なのです。

最初のうちはこの仕組みがよく分からなくて、総当たりしたのに反応がなくて

困ったりしました。

仮説を作成すると新たな謎マスが表示されたりして、

ある程度仮説を作成すると、「真相が」「みえた」が表示されて、

「みえた」をドロップしてやると仮説作成パートを終了することができます。

この操作は全くの無駄としか思えませんでした。

手がかりをいちいちドラッグ&ドロップするのにうんざりしてますからね

最後くらい楽をさせてほしいものです。

マウスみたいな操作をさせるゲームはあまり好きではありません。

この仮説作成がこのゲームの一番面倒なところだと思います。

真っ当な仮説は手がかりの内容が大体分かりますが、

とんでもない仮説もあったりして、総当たりしないと分からないこともしばしば。

とんでもない仮説も解決編で使用されたりするので全部作らざるをえない気がします。

回数に制限はありますが、答えを教えてくれる機能もあります。

この部分は特に面白くもないので大いに活用すべきだと思いました。

仮説作成といっても肝心なところは回避されていたりしますので、

自分で真相を推理しておかないといけません。



仮説作成を終えるといよいよ解決編です。

その前に推理のまとめが入ります。

どの仮説が気になったのかを示すと、それに対するコメントをつけてくれるというもので、

間違っていてもペナルティーはないし、どこにも何の影響もないと思いました。

ヒントのつもりなんでしょうか。

解決編は探偵役がみんなを集めてさてという一番の見せ場ですね。

動画を切れぎれに見せられながら、犯人を指摘したり、手がかりを提示したりします。

ここは名探偵になった気分になれて爽快感はありました。

解決編では手がかりや作成した仮説などを確認することはできますが、

動画を見直すことはできないようでした。

動画も見られるようにしてほしかったです。

間違えると周囲から盛大にツッコミが入ったりしてぶちこわしになります。

これはこれでコミカルで面白かったです。

間違えなかった章もわざと間違えて見てみたくなります。

間違えた場合は天啓を得て、正しい選択をした場合の動画を見ることができます。

実質答えを教えてくれるのと同じです。

なので推理が苦手な人でも進めることはできるでしょう。

間違えた場合は推理空間に戻されますので、解決編は最初からやり直しです。

間違えずに解決編を終えるとスコアとランクが表示されます。

失敗したり天啓を得たりするとスコアは減り、ランクも下がります。

満点の場合ランクSで、その下のランクはAのようです。

私はSとAしかとったことがないのでその下は知りません。

解決編の前にセーブすることができますので、

失敗したらロードしてやり直すことで簡単にランクSがとれますね。


答えを教えてくれる機能もありますし、誰でもクリアすることは可能でしょう。

独力で真面目に考えると難しいところもあります。

なぜ難しいかというとロジックがおかしいからです。

Aという仮説を採用すると犯人の行動に説明がつく。

だからAは正しい。

このロジックはおかしいですよね。

それ以外の説明がつかないことを証明しないと。

Aが正しいという他の根拠が示されることもありますが、

どれもそう考えることも可能であるというレベルで、

根拠になるとは思えないことが多いと思いました。

こう考えると状況の説明もつくし、犯人も特定できる。

だからこれが正解なのだろう。

というひねくれた思考をしないと正解にはたどり着けないと思います。

ある章では、犯人の条件はこれこれであると宣言して、

犯人を特定する流れになります。

その条件を満たす人は2人いたはずなんですが、

解決編では1人しかいないのです!

もう一人の人物はなぜか解決編には登場せず、

犯人候補にも挙がってこないのです。

なんで?

そんなの予測不可能ですから、事前に推理を組み立てることもできません。

そもそもその条件自体私は疑っていて、

その条件を満たさない人が犯人である可能性も考えていたのです。

なので犯人を絞り込むことができず、諦めて解決編に突入してみると、

ああいう流れになってびっくりでした。

その後も全問正解できたものの、納得はできませんでした。

あと、推理のルールして、

共犯者はいないとか超能力や超常現象の類いは関与していないとか

書かれていましたけど、そうでしたっけ(笑)。


一章は納得感があってよかったのですが、

それ以降はあまり納得感がなかったです。

脱出ゲームをやらされる章もありました。

それはまあいいんですが、脱出方法を考えるのも推理空間で仮説作成(笑)。

これがかったるくてテンポが悪いのです。

やらされている感たっぷりでした。

最終章は謎解きは少なかったけれど、一番の驚きがありました。

なんじゃそりゃーという感じ(笑)。

小説にあれが書かれていないとは思えないんですけど、

まあ確かにあの場面はおかしいなとは思いましたよ。

まさかそんなことだったとは。

やられた感はありましたね。


ドラマパートで中断セーブができるのと、

推理空間でセーブできるのは確認しました。

セーブは10個しかできず、ちょっと足りないと思いました。

もちろん上書きはできますけどね。

録画もスクリーンショットも禁止されていたのはちょっと不満でした。

外部に持ち出しできないように制限とかできないんですかね。

個人利用はできるようにしてほしいものです。

特に不具合には遭遇しませんでした。

あえて言えば、犯人候補に漏れがあったのは不具合ですね。

不満点も色々書きましたが、結構楽しめましたし、

なかなかの満足度でした。

同様のゲームが出たら多分買っちゃいますね。

PS5でもこういうゲームをもっと出してほしいです。


80点。

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